指物と桑について

 指物で使う木は、一般に高価な木(銘木・貴重な木)を用いますが、その代表的なものは、欅、杉(社木、吉野、秋田杉等)、塩地(シオジ)、栗、タモ、センなどがあげられますが、その年数を重ねた木目を喜びますが、木目の形状に様々な呼び名をつけています。玉杢(タマモク)、春日杢(カスガモク)、笹杢(ササモク)、虎斑杢(トラフモク)、チヂミ杢などがあります。
 この中でも、最高とされるのは、欅(樹齢300年以上)の玉杢であります。さらにこの材の外に、特別な木材というのがありまして、特別な時(献上品、日展、伝統工芸品展などの出品)にその材の貴重さと、技術、美しさを表現するために神代欅、神代杉、屋久杉、島桑、などを用いております。
 なかでも桑材は、その木目の品性、美しさ、やわらかさなどからも、好まれております。ここで言う、島桑は、御蔵島産などでありますが、もうほとんど流通しておりません。
 群馬の桑も、養蚕の歴史と共に生き残って来た物でありまして、その木目や年輪なども味わい深い物があり伝統工芸として受け継がれてきました。しかし現在は、その貴重さも失われつつありますが、一層群馬の銘木であると思っています。
 又、指物の世界でも、桑のみで仕事をする指物師を桑物師と呼び、一格上の指物師としての扱いをされております。


吉澤指物店  吉澤 良一